ワームになり損ねた素材たちの行方
こちらの物体。
これ、ワームになる前のワーム素材です。
白く見えているのは、ワーム素材に混ぜ込んだ塩。
いま試作しているワームが、塩をたっぷり必要とするワームでして、ワーム素材に対して35%の塩を混ぜ込んでから型に流し込んでいます。
……とはいえ、これはワームになる前の素材というより、ワームになり損ねた余りものですね。
ワームの試作を繰り返していると、こういう中途半端な端材がポコポコと生まれてきます。
捨てるにはちょっともったいない。
というわけで、これもちゃんと取っておきます。
もちろん、ワーム素材の硬度も違えば、塩の量も違う。
ラメやカラーもバラバラです。
そんな素材をある程度ためておいて、硬度ごとに分けてエイヤッと溶かし、ひとまとめにしてしまいます。
ところで、いろんな色のワームを混ぜて溶かすと、最終的にどんな色になると思います?
茶色です。
もちろん黒っぽいワームが多ければ黒に近くなりますし、白が多ければ白っぽくなります。
でも、ワームでよく使うカラーってグリパンだったり、スモ
ークだったり、緑っぽい色だったり。
そういう定番カラーをいろいろ混ぜていくと、だいたい落ち着く先はこげ茶色。
なので、試作したワームは泳ぎを確認した後、不要になれば保管。
端材などと一緒に再び溶かして、次の試作に使います。
その結果、ワームの試作ではこげ茶色のワームが登場することが多くなるというわけです。
「なんで今回の試作ワーム、また茶色なん?」
と思われるかもしれませんが、そういう理由です。
ワーム素材って、試作でも結構な量を使います。
材料代も決してバカになりません。
だから、使えるものはできるだけ再利用。
試作が進んで簡易金型を作る段階などになれば、ちゃんと新品の素材を使ってテストしますが、初期の試作ではこうして素材を無駄にしないようにしています。
そんなことを繰り返しながら、少しずつ形を変え、硬さを変え、塩の量を変えながら、理想のアクションへ近づけていく。
ルアー開発というと、完成した製品ばかりが目に入りますが、その裏側ではこんな「ワームになり損ねたヤツら」も大量に生まれています。
なので、もし今後、試作段階でこげ茶色のワームが登場したら、
「またいろんなヤツが混ざったんだな」
くらいの生温かい目で見守ってやってください。