マサムネテール製作、裏話。

実はマサムネのテールは手彫りのマスター(原型)を使っています。だからどうした・・・と言わずにチョットお耳を拝借。通常は3DCAD(ソフト)上でデータを作成して行きます。そのデータを用いて機械加工で金型をボリボリと削って行き、プッチュン!!と成形するという流れが多いと思います。がしかし、今回のマサムネテールは原型は手彫りし、さらに一つ一つ手流しでの製作方法を採用しています。上記の様な3Dデータ上でテールを設計するというのは時間短縮にはもって来いなのですが、いつもチョットだけ、ほんのチョットだけ気になっている事があります。そうです、何か・・・

「無機質」な感じがするんです・・・。

これは作っている側の錯覚??気にしすぎかもしれませんが・・・手で彫っている曲線というのは、データ上の何R(曲がり具合の数値です)という数値では表現できません。何せ「手」なので安定した曲線が出せない。同じ様に見えても実は異なる。こんな事の積み重ねと、彫ってはパテを持って、また彫って・・・という実にアナログな過程とがミックスされて人間くさい、味のあるモノへと変貌するんじゃないかなぁと勝手に思っています。最終的には「ワーム」素材なんていう全く味の無い素材になるのに可笑しいですよね。

実際パソコン上で作っていた事もあるので・・・両方やってみた結果、原型を手彫りの方がしっくり来るんです。

そのテール・・・

ついでに言いますと、このテール自分のところで1個1個手流しして作っています。なんでまた非効率な手流しの方法をとったのかと言えば、それはそれで訳があります。テールを作る際に、色々な素材を試してみた結果、コテツのようなエラストマー素材では浮力があまりにも高すぎて、テール自体がユラユラと揺らめいでほしいマサムネにとっては異物感があったからです。

柔らかくフロート素材でありながらも、ある程度水馴染みの良い素材を採用したことで、デッドスロー~止まっている状態でも微弱な水流で自発的に揺らめく「DH」のような生命感をプラスすることができました。