ジョイント金具が2.1.1になっている謎に迫る【TOUDA(トウダ)開発エピソード】

よっこらしょと頭を横にしてボディを見渡すと前から2そして1、さらに1。

トウダのジョイントに使用しているエイトカンの数です。

前ボディから数えて1つめのジョイントはエイトカンを2つ使用していますが、その後ろ2箇所は1つだけという仕様。

これにはワケがあります。

多連結のルアーだけに、ジョイントにはある程度フニャッと自由に動いて欲しかったのです。

そして羽根モノルアーはクロールするわけですからロールのアクションも出ます。

ウォブルアクションとロールアクションがうまくミックスされて滑らかなアクションが生まれるようにしたい。

となるとジョイントのエイトカンは1つだけにして、なるべく自由な動きを妨げない構造がベスト。

最初の試作品はどのジョイントもエイトカン2つで左右にしか振らない構造でした。

次の試作ではどのジョイントもエイトカン1つだけに変更したものを作成。

エイトカン1つにすれば上下左右にフレキシブルに動きすごく良いアクションになるはず…

と思ったらどっこい大間違い。

確かに浮かべているだけの状態なら勝手にフニャフニャと曲がって良い動きが出ました。

けれども、泳がせてみたところジョイントが自由すぎてアクションがテールまで伝わらなかった。

全てのジョイントがあまりに自由に動きすぎるとアクションを相殺してしまうのです。

ジョイントなしのリップ付きルアーはブリブリとよく動きますよね。

ジョイントが1つできるとまだブリブリ動くが少し滑らかなアクション。

ジョイントが2つ、3つと増えるとヌルヌルとしたおとなしい動きに変化します。

トウダに関してはロールが主体で少しウォブルが入る程度ですので、ジョイントが3つあってエイトカンが1つしかない状態ではアクションを相殺してしまいテールを全く振らないものになってしまいました。

止めた時にはなるべく自由に動いて欲しいけど、巻いた時にはしっかりテールを振ってくれるようにしたい。

本当に人間とはワガママな生き物です…

そんな訳であれこれやってみた結果、最初のジョイントにだけエイトカンを2つ使用して、ある程度自由な動きを制限することでテール先端までアクションが伝わるように工夫しています。