エラストマー、ちょっと気を付けた方がいい話。

近年、釣り具、特にルアー関係ではエラストマーってよく聞きますよね。従来のいわゆるゴムとは違う柔軟性や強度のある素材で、ビッグベイトのテールとか、ボディがエラストマーで成型されたルアーやワームもありますね。もちろん、ルアーだけでなく、生活用品など、色んな製品に広く使われています。

エラストマーって言葉で我々釣り人が思いつくのは、あのビヨ~ンと伸びて切れないアレですが、本来エラストマーという言葉は、Elastic(エラスティック=弾力のある)とPolymer(ポリマー=重合体) を組み合わせた造語で、ゴムのような弾性のある工業用材料の全てを言うんです。広い意味で。なので、いわゆるゴムもエラストマーではあるんですね。

で、我々釣り人がエラストマーって呼んでるのは、熱可塑性エラストマーと呼ばれるものだと思われます。
カエスでは、コテツのテールやKAMに使ってますが、一言で熱可塑性エラストマーと言っても、さらに色々ありまして、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系などなど、種類は色々あります。

まぁ、この辺りの話をするとえらい長くなってしまうので、それはいつか機会があればということで、今回は実体験からの、エラストマーに関する、釣り人がやってしまいそうな・・・というか、実際自分がやってしまって焦った体験をお話します。

それは、雨の休日に

5~6年前のことです。釣りに行く予定だったのですが、朝から土砂降りの雨。一緒に釣りに行く予定だった友人のテンションは一気に急降下・・・。あえなく中止になりました。そうなるとやはり、タックルを色々いじってしまうのが釣り人。
ロッドを拭いたり、ルアーを整理したりして過ごしていました。
ふと、ワームのストックボックスを見ると、かなり昔に珍しさで買って数匹釣り、気を良くして大量に買い込んだエラストマー製のワームがあったんです。さらに、昔作った自作ワームのシリコン型も出てきました。そこで…

エアラストマーを溶かして、この型に流せば、オリジナルのエラストマーワーム作れるかな?となったわけです。

早速ナベにそのエラストマーワームを大量に投入。ガスコンロON!
底の方が溶け始めました。が、その後とんでもないことが起きたんです・・・

あわや大惨事。マジ焦った・・・。

ポッと火が付いたんです。それがアッという間にドンドン大きな火になり、ナベから炎が立ち上がる!
コンロの火を止めても治まるどころか、さらにブワ~っと燃え続け、換気ダクトにつけられている、化学繊維のとりかえフィルターが燃え、もう完全にパニック状態!!アタフタMAXです。
気持ちを落ち着かせて考える。ナベにフタをしよう!と思いつき、大きめのフタをかぶせ、一見消えたように見えたんです。
ふぅ~、焦った~。

で、フタを取ると、消えてたはずの炎が何もしてないのに、またボッ!!っと自然に発火して、またみるみる内に大きな火に!
慌ててフタをし、さっきよりも長く放置してから、フタを取ると、またボッ!!消えない火って本当に怖いです・・・汗

最後はフタをして中のエラストマーとナベが冷めるまで、ず~っと放置で何とか事なきを得ました。
が、ほんっとうに焦りました。あわや火災発生の大惨事!なできごとでした。マジで怖かった・・・。

部屋の中がおかしな化学臭と焦げたような臭いで満たされ、数週間とれませんでした。

エラストマー、火気厳禁!と、保管時の注意点。

さすがに、こんなバカなことをする人はそうそういないと思いますが、それでも、例えばエラストマーのテールなどが切れたので、ワーム素材のようにライターで炙って修理する、なんてことはちょっとやってしまいそうですよね?
でも、これも結構危険です。エラストマーの中にはすぐに燃えるような感じではないのですが、一度火がついたら中々消え無い物があります。

しかも、思っている以上に大き目の火になってウワ~って燃える感じになります。さらに火が付いたままポタポタと溶け落ちて行きます。これが足や体に付着したら当然やけどですし、屋内だと火事になりかねない。

意外と知らない人が多いのと、ライターであぶってワームをちょっと修理、なんてことは普通にやるのが釣り人なので、この機会にお知らせしとこうと書いてみました。

あと、エラストマー素材の物は、他のワーム素材のものとくっついた状態での保管は避けて下さい。溶けます!

皆様、お気を付けください。
IMG_5125