KRK165へリサイズの罠 〜開発エピソード①〜

既存の製品のサイズアップ、もしくはサイズダウン版を作る時って、簡単なようで実は結構大変なんです。

「データをキュッと縮めるだけでしょ?」ってそんな単純な話じゃございません。

ルアー自体はオリジナルサイズをリリースしている事もあり作り込む方向性は明確な為、一からオリジナルサイズを作る時に比べれば楽な部分もあります。

例えばKRKで言えば、「リロードウェイトシステムを入れること」。

水面を飛沫をあげポッパーの様にアクション、ペンシルベイトのようにスケーティング、ウェイトを追加して水面下をスライドダート&ライズアップ。

さらにウェイトを追加して深いレンジをジャーキング。

オリジナルサイズはこれらのコンセプトと、これを再現するための機構を作り上げるのに長い長い時間がかかります。

リサイズ版を作るにあたっては、この部分はバッサリ短縮できる。

大変なのは「大きさを変えた時に、オリジナルサイズと同じフィーリングで使える」ように調整すること。

もう少し具体的に言うと…

こんな事ないでしょうか??

例えば、Aと言うルアーのオリジナルサイズはウォブルアクションが秀逸でとても良いとします。

このAをダウンサイジングしたらもっと色々なフィールドで釣れるのに。あったら欲しいなと思っていたとします。

そうすると、ダウンサイジングされたBが遂に発売!

待ってましたと購入して投げてみたら、あれ??めっちゃロールする。動きの質違うくない??

ただ単に「外見が小さくなれば良い」と言う訳では無く、「オリジナルの動きを踏襲した上でダウンサイジング」して欲しいと言うところが、一般的によく会話で使われる「あれ小さくなったらなぁ」なのではないかなと。

リサイズする上で、その小ささや大きさからくる泳ぎのピッチやダートの幅は異なるとしても、「質」の部分はしっかり保持したいと言うところには結構気を使いました。

KRK165の試作1号機は想定範囲内の失敗

サイズダウンするにあたって一番最初の試作は、あえてデータをそのまま縮小。

これには少し訳があって、リロードウェイトシステムを搭載すると言うこともあり、おおよその基準(セーブポイントみたいなイメージでした。)が欲しかったのであえて失敗しに行く事に。

この基準を元に、浮力がどれだけ必要だとか、泳ぎに対するボディの細さはどうだと言う部分を検討した方が早いなと思っていました。

とは言え、いざ出来上がったものを見て、「アレー?そのまま縮小したのになんかイロイロと違うんでないの…」とも。

まずパッと見、ボディが激薄!

比率は変えてないのに、なんだかペラペラ感がものすごい。

これはこれで動きのキレが良く、このままいくのもアリかと思いましたが…重量に難あり。

フローティングで165mm30gはあまりにも軽すぎて、全く飛ばない!

投げると少し風があると野茂のフォークボールみたいに…。(ほんで、野茂て…汗)

もう少し重量は欲しいよねって事で、即修正となりました。

次回に続く