イサナ開発こぼれ話② 素材と硬度と形状

メッチャ揺れましたし・・・滝汗。やはり何時になっても地震は本当に怖いです。皆様も引き続きお気をつけ下さい。
そんなナーバスな状況ではありますが・・・、ルアー開発において日頃思っていることですがワームを作る場合、重きをおくポイントは形状に5割、素材に5割だと思っています。

ある程度予測して作っていても、いざ本番やってみると・・・汗。

ワームの素材といっても比重、硬さ、塩の量、その素材の特性(裂けやすさや弾力)などの色々な要素があります。実際、形状がどれだけ優れたものだとしても硬度や塩の量を変えることでワームは全く別物になります。

形状自体は自社で形を削り出し、シリコンで型をとったりといくらでも試作することができます。とりあえず既存のワームを溶かして型に流し込み試作品を作ることは容易ですが素材自体はなかなか自社であれこれ違うものを試すと言うわけにはいきません。

自社でワームの量産工場を持っているメーカーならばなんのことはない工程ですが普通はワーム屋さんにお願いするところです。

イサナの場合もやはり、形状を煮詰めるにあたって、在りもののイメージに近い硬さや塩の量のワームを溶かして型に流し込み作っていました。

ある程度満足行くレベルのものに仕上がるまでその方法をとり、これ以上は自社では限界だというところで金型を製作してもらい量産品と同じ素材で塩の含有量や硬度を調整していきました。(下が試作で頑張ったイサナ・・・。上が量産仕様のイサナです。)

金型製作後、ファーストサンプルの4.8インチはいきなりなかなかの動き。

が、ここで問題発生。

同時に製作した6.5インチは同じ素材なのにイサナの特徴であるヒラヒラとしたフォールが今ひとつパッとしないような状態でした。

結局、硬度と塩の量という組み合わせを何度も何度も検証する事に。

硬度は柔らかくすればテールをしっかりと振るようになりますが・・・、今度は耐久性が落ちます。塩の量も上下の組み合わせで安定しにくくなったり、はたまたフォールが激速になったりと、なんともまぁ何かOKとなれば何かがNGとなり行ったり来たり地味な検証作業開始。

4.8インチは奇跡的にバシッ!!と決まっただけに、6.5インチも思っていましたがそんなに甘くは無い・・・。コツコツ組み合わせを変えて行く内にベストな配合量を見つけ最もフォールアクションの良い組み合わせに行き着くことができました。(この組み合わせを行っている途中に、もっとスゴイ仕様にできるんじゃないか!?とかまだ設定が出来てないのに思ったりする悪いクセも・・・。)

同じ形状で同じ素材でも大きさが違うだけで同じ動きが出せないということ。

これがワーム作りは形状5割、素材5割だという所以です。